ダイヤモンドは実は〇〇から生まれる?意外と知らない地球のロマン Vol.9
輝きの正体:ダイヤモンドを「宝石の王様」に変えるカッティングの芸術
ダイヤモンドの魅力、それは他の追随を許さない圧倒的な「輝きの美しさ」に集約されます 。古くから「宝石の王様」と称えられる理由は、その輝きの中に自然の神秘と人間の英知が同居しているからに他なりません 。
では、なぜダイヤモンドだけがこれほどまでに輝くのでしょうか?
1. 「究極の硬さ」と「精密な計算」の相乗効果
ダイヤモンドの輝きを支える土台は、地球上の鉱物で最高位となるモース硬度10という驚異的な硬さにあります 。この硬さがあるからこそ、表面を鏡のように磨き上げ、鋭角で精密なカットを施すことが可能になるのです 。
特に「ラウンドブリリアントカット」は、光の科学の結晶です。
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表面反射: 表面で跳ね返るシャープな光。
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内部反射: 内部に侵入した光が、底面で全反射を繰り返して再び上面へと押し戻される光。
この2つが相乗効果を生むことで、理想的な輝き(ブリリアンス)が放たれます。
2. 輝きの歴史:ベルギーから始まった進化の歩み
15世紀中頃、ベルギーのベルケムが「ダイヤモンドはダイヤモンドでしか磨けない」ことを発見して以来、カッティングの歴史は幕を開けました 。
王道である「ラウンドブリリアントカット」も、時代と共に進化を遂げています 。
- 1750年代まで:厚みのある「オールドヨーロピアンカット」
- 1880年代:モダンへの過渡期「トランジショナル ブリリアント」
- 1950年以降:現在の主流である57〜58面体の「モダン ラウンド ブリリアント」
歴史を知ることで、アンティークから現代品まで、それぞれのカットが持つ「時代の輝き」を味わうことができます。

3. 個性を彩る「ファンシーカット」の世界
ダイヤモンドには、丸いラウンド以外の形「ファンシーカット」も存在します。それぞれに込められた意味や、着用時の美しさを引き出す効果があります。
■ 優美さと気品を纏う
オーバルカット:
「卵型」を意味し、生命の象徴とされる形。上品でまろやかな雰囲気を醸し出します 。
ペアシェイプカット:
雫のような形。縦のラインが指をほっそりと長く見せる「V字効果」があります 。
こだわりの比率:輝きが最も美しく見えるアウトラインとして、縦横比1:1.5〜1:1.75を厳選しています 。
マーキーズカット:「侯爵」の名を冠した舟形。ルイ15世が愛したポンパドール夫人に贈った称号が由来の、ロマンティックなシェイプです 。
■ 愛らしさと職人技の結晶
ハートシェイプカット:
最も硬い鉱物をハートにするのは、職人の腕の見せ所です 。
こだわりの比率:ぷっくりとした可愛らしさを追求し、比率 0.85〜0.9 の黄金プロポーションをご用意しています 。
■ 透明感を愛でる「ステップカット」
光の反射ではなく、石そのものの透明度や色を引き立てるカッティングです。
エメラルドカット:
16世紀に開発された8角形。クレオパトラも愛したと言われる、吸い込まれそうな神秘的な透明感が魅力です 。
バケット(およびテーパードバケット)カット: 「棒」を意味するフランスパンと同じ名を持つ形。エメラルドカットより角がシャープで、すっきりとした知的な印象を与えます 。
■ モダンな煌めきを追求
ラディアントカット:
「まばゆい光」を意味し、四角形のシャープさと、ブリリアントカットのような強い輝きを兼ね備えています 。
クッションカット:
枕(ピロー)のような角の丸い四角形。伝統的なカットで、大きなカット面が透明度を際立たせます 。
おわりに
カッティングの数だけ、ダイヤモンドには異なる「表情」が宿ります。
形だけでなく、その「質」が美しさをどう左右するのか?
次号では、ダイヤモンドのカットの良し悪し(グレーディング)についてさらに深く踏み込んでみましょう 。
ダイヤモンド専門店アルテルージュのスタッフがお届けする、
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