8月 21, 2026

宝石を見極める道具と鑑定のはなし | 煌めきの研究所 Vol.20

エースマーク(株)Ace-Markによる

宝石取引の現場では、いくつかの道具が欠かせません。ルーペ、ピンセット、宝石ライト、ゲージ、クロス、計量器——これらは、宝石の形・大きさ・重さ・色・内包物の有無を調べ、どのようなジュエリーやアクセサリーに向く石かを見極めるための基本セットです。

プロが使う道具、それぞれの役割

道具 主な用途
ルーペ(10倍) 内包物・傷・カットの確認。業界標準は10倍が基本
ピンセット 石を安全に保持・移動。先端の形状で用途が異なる
宝石ライト 透過光で内部を、反射光で表面を観察。光源の種類で色の見え方も変わる
ゲージ 石のサイズを計測し、カラット重量を換算する際にも使用
クロス 石の汚れを拭き取り、観察前に表面をクリーンな状態に整える
計量器 0.01カラット単位の精密な重量測定。価格算出の基準となる

色だけでは判断できない理由

「赤ければルビー、緑ならエメラルド」——そう単純には判断できないのが宝石の世界です。なぜなら、採掘後にトリートメント(処理)が施されている石が存在するからです。代表的な処理には以下のようなものがあります。

  • 加熱処理(ヒート)……色や透明度を改善するために高温で加熱する
  • 含浸処理(フィリング)……ひび割れにオイルや樹脂を充填して透明感を高める
  • 放射線照射……色を変化・強化させる処理
  • コーティング……表面に薄膜を施して色や光沢を変える

(注:すべての宝石にトリートメント処理が施されているわけではありません)

専門機関による鑑定・鑑別とは

上記の道具だけでは処理の有無を判別できないケースがあります。そこで頼りになるのが、専門の宝石鑑定・鑑別機関です。近年は検査機器の精度が高く、天然石かどうか、何らかの処理が施されているかどうかを科学的に証明することができます。

代表的な機関としては、GIA(米国宝石学会)をはじめ、日本国内ではCGL(中央宝石研究所)などが知られています。検査料金は機関や石の種類によって異なりますが、概ね1石あたり1万〜3万円程度が目安です。

「鑑別書」と「鑑定書」の違い

よく混同されるこの2つ、実は内容が異なります。

書類 内容
鑑別書 石の種類・天然/合成/処理の有無を証明。カラーストーン全般に発行される
鑑定書 鑑別内容に加え、4C(カラット・カラー・クラリティ・カット)などの品質グレードを評価。主にダイヤモンドに発行される

ジュエリーやアクセサリーをご購入の際は、専門機関の鑑定書・鑑別書が付属しているか、またはお店独自の保証書があるかどうかも確認されることをおすすめします。
(注:宝石の種類や価格帯によっては、これらが付属しない場合もあります)

次号もどうぞお楽しみに。


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