カナリーイエローダイヤモンドってどんな色?
カラーダイヤモンドの中でもよくみられるイエローダイヤモンド
レモンのようなさわやかな黄色から、ホンダのスポーツカーのような黄色まで幅広くありますが、時々耳にする「カナリーイエローダイヤモンド」 これはどんな色なのか見たことがありますか?
よく聞きますのは、
・鳥のカナリヤのように鮮やかなイエロー
・ファンシー・インテンス・イエロー以上
などなど聞きますが、 私は実際これが「カナリーイエローダイヤモンドだよ。」と言われてみたことがありません。
画像のハートシェイプも鮮やかなイエローですがカナリーイエローではないとのこと。そのはっきりした定義が分からないままだったのですが GIAによると、 イエローの色は窒素が存在することが原因ですが、 「カナリー」はタイプIbのファンシーインテンスイエローダイヤモンドに対して使われている用語であり、「ケープ」スペクトルを持つダイヤモンドと区別するために使用されています。 では「ケープ」スペクトルって? 『GIA Diamond Dictionary(GIAダイヤモンド事典)』によると、「ケープ」ダイヤモンドは、特定のはっきりとした吸収パターンを示す独特な黄色の地色を持つタイプIaダイヤモンドです。(多くの場合、強いバンドがおよそ415.5nmに一本、非常に強いバンドが478.0nmに一本あり、この2本のバンドの間には4本の弱い線があります。)このようなダイヤモンドは、青、黄、またはオレンジの蛍光を発することがあります。
GIA.edu https://www.gia.edu/JP/gia-news-research/
yellow-gemstones-can-you-identify-them(画像引用元)
「ケープ」ダイヤモンドはタイプIaで、「カナリー」はタイプIbの違いなんですね。では「タイプIaとIb」って? タイプIaは…
色の起因となる窒素の含有の違いであり、 また人の手では作れないので、タイプIaであれば天然であると言えるとのこと。 では、タイプIbはどうでしょうか…
Ib型は全ての天然ダイヤモンドのおよそ0.1%を占める。Ib型は最大0.05%(500ppm)の窒素を含有するが、不純物はより拡散している(窒素原子は結晶の至るところの孤立した部位に分散している)。Ib型ダイヤモンドは青色に加えて緑色項を吸収し、Ia型よりも強いあるいはより暗い黄色あるいは茶色を示す。Ib型ダイヤモンドは強い「黄色」あるいは時折「ブラウン」(英語版)がかった色合いを持つ。希少な「カナリア」ダイヤモンドはこの型に属し、天然ダイヤモンドのわずか0.1%しか存在しない。可視吸収スペクトルは緩やかな形状で、鋭い吸収帯を持たない[3]。ほぼ全てのHPHT(高温高圧)合成ダイヤモンドはIb型である
そうなると、カナリーイエローのような黄色を合成ダイヤでも作れるってことなのでしょうね。 ちなみに窒素を含まないダイヤモンドはタイプIIa/IIbです。 ではカナリーイエローはどんな色なの???
ハートシェイプのイエローも、GIA.eduのイエローも「カナリー」ではないのなら、 どんなに鮮やかなイエローなのでしょうか。
検索するとすぐにでてくる有名な「Kahn Canary Diamond(カーン カナリー ダイヤモンド)」これがカナリーダイヤモンドですが、
写真:Harold & Erica Van Pelt/GIA
確かに、、、上の画像のイエローダイヤ2つどれとも違う濃い黄色です。 サブカラーにオレンジやブラウンは入ってないのでしょうか。 宝飾業界では高く評価される「カナリーイエローダイヤモンド」ですが、カラーだけでは評価することができないなと強く感じます。
色味があまりに鮮やかで綺麗なので、これは「カナリーイエローダイヤモンド」に近いのでは?など素敵な出会いがあるかもしれませんが、そんなときこそしっかり鑑定しなければならないと感じています。
またお客様から求められたときはしっかりとご説明したうえでイエロ-ダイヤモンドをご提案しなければならないと思いました。カラーダイヤモンドは値段や価値だけで選ばず、まずはインスピレーションを受けたもの・自分が好きだなと思ったダイヤを選ぶことも重要だと思います。
カラーダイヤモンドは奥が深いです。
ナチュラルカラー・ファンシーシェイプのダイヤモンド を多く扱っております。ハートのイエローダイヤ、気になりましたらお気軽にお問合せください。