ダイヤモンドの原石:地球が育んだ奇跡の輝き

皆さんは、ダイヤモンドの「原石」を実際に目にしたことはありますか?
私たちが普段目にするのは、職人の手によって美しくカットされ、研磨されたダイヤモンドの姿です。しかし、地球の奥深くで何十億年もの時間をかけて育まれた原石には、また異なる、神秘的な魅力が宿っています。
無色のダイヤモンド原石の美しさ
無色のダイヤモンドの原石は、まるで氷の結晶のように、見事な正八面体の形をしています。この写真は、およそ1カラットの無色の原石です。ご覧ください、何もカットを施していないにもかかわらず、その透明感と完璧な結晶構造は、それ自体が芸術品のような美しさを放っています。こんなにも美しい結晶が、土深くから掘り出されるという事実に、地球の神秘を感じずにはいられません。研磨せず、この原石のままリングやブレスレットなどジュエリーとしてデザインしても、きっと素晴らしい一品になるでしょう。
ピンクダイヤモンド原石の秘密
そして、特別に入荷したカラーダイヤモンドの原石がこちらです!
いかがでしょうか?カットされる前の姿は、まさに自然が作り出したアートピースです。写真では少し伝わりにくいかもしれませんが、しっかりとピンク色を帯びています。ルーペでよく見ると、黒いカーボンのインクルージョン(内包物)が見えることもあります。このインクルージョンを避けながら、いかにしてこの美しいピンクダイヤを研磨するか、それはまさにカッターの熟練の腕の見せ所なのです。
「もっと大きなピンクダイヤが欲しい!」そう願う方も多いでしょう。しかし、原石の段階で約7~8ミリという大きさは、非常に貴重です。これを研磨すると、どうしても小さくなってしまうのは、ダイヤモンドの宿命とも言えます。
カラーダイヤモンドが持つ個性的な形
無色のダイヤモンドが綺麗な正八面体をしているのに対し、カラーダイヤモンドの原石は、少しばかりいびつな形をしていることが多いのです。これは、炭素原子が地球の奥深くで途方もない圧力を受け、その原子構造に「ゆがみ」が生じることで、カラーダイヤモンドが生まれるためです。このゆがみこそが、ピンクやイエロー、ブルーといった魅力的な色彩を生み出す源であり、同時に原石のユニークな形状にも繋がっています。
確かな品質と信頼の証:キンバリープロセス証明書
今回ご紹介したカラーダイヤの原石は、カナダで採掘されたものです。そして、この美しいダイヤモンドの原石には、キンバリープロセス証明書が付いています。
キンバリープロセス証明書とは? これは、ダイヤモンドの不正取引が世界各地の紛争の資金源になることを防ぐため、国際的に導入された証明制度です。経済産業省のウェブサイトにも記載されている通り、不正に取得されたダイヤモンド原石の輸出入を規制することを目的としており、お客様が購入されるダイヤモンドが倫理的なルートで取引されたものであることを保証するものです。
原石が語る、地球の物語
カット・研磨されたダイヤモンドの輝きは、確かに魅力的です。しかし、地球の奥深くから地表に現れたままの原石には、また異なる、原始的で力強い魅力があります。それは、地球の壮大な歴史と、ダイヤモンドが辿ってきた長い旅の物語を雄弁に語りかけてくれるかのようです。
ぜひ、この機会に、ダイヤモンドの原石が持つ「ありのままの美しさ」にも触れてみてください。アルテルージュでは美しい正八位面体のダイヤモンド原石をご覧いただくことができます。気になりましたらお気軽にご来店ください。
アルテルージュ スタッフ清水