よもやま話– ジュエリー業界の今と未来 | 煌めきの研究所 Vol.15
近頃、話題が少なくなってきたジュエリーショップとジュエリー製品について
気がついてみれば、TV・雑誌・SNS等で目にするジュエリー関連の情報は、欧米のメジャーブランドとアクセサリー業界の両雄――スワロフスキーとパンドラ――が露出している程度だと思いませんか?
かつての華やかな時代
1990年代から2000年代初頭にかけては、デビアスのキャンペーンとその影響で拡大したブライダルジュエリー店のCMが数多く流れていました。また、誰もが耳にしたことのある「ジュワイヨクチュールXX」「ココXX」等がファッションとジュエリーを融合した一大勢力となり、生活関連グッズの一部として浸透していたものです。
しかし、その多くの店舗が日本経済の衰退とともにフェードアウトしてしまったのは記憶に新しいところです。
日本の消費者はジュエリーと縁遠くなったのか?
宝飾業界全体では確かに縮小傾向であった面は否めません。しかし、百貨店や路面店に店舗を構えるメジャーブランドは、むしろこの10年で業績を伸長または維持しているところが多いと聞きます。もちろんブランド銘柄によりますし、インバウンド需要に支えられた面も大きいでしょう。
一方、日系の店舗では百貨店やファッションビルからの撤退・統廃合が目につきます。低価格帯のピアスや色石を施したアクセサリージュエリーは売れているものの、メジャーブランド並みのボリューム感をアピールしたジュエリーの成功例はなかなか聞くことができません。特徴の強いアイテムは展示会では売れているとの声もありますが……。
ブライダルジュエリーの今
結婚指輪や立爪リングは、結納・結婚式・披露宴といったセレモニーに欠かせないアイテムとして長年続いてきました。しかし近年、こうした行事の優先度は若いカップル世代の間で年々低下傾向にあるのではないでしょうか。
結婚10周年を祝うスイートテンアイテムもロングランでジュエリー店に並んでいますが、目立った宣伝を見る機会が少なくなっていると感じるのは私だけでしょうか?
業界の現在地
年々ライフスタイルの変化とともにジュエリーの購買行動が多様化しています。それに伴った素材やデザインの提案が十分に行われてきたかどうか、検証の余地があると思います。
国内では国際宝飾展をはじめ、数々の新作ジュエリーや真珠、アクセサリー類の展示は今もなお積極的に行われています。多くのメーカー・ディーラーが集い、消費者へのアピールも続いています。また同時に、二次流通品を軸とする卸販売・小売販売も増えており、視認できるボリュームよりも実際の落ち込み率は低いのかもしれません。
今後への期待
ジュエリーメーカーやディーラーが、ライフスタイルに沿った素材・デザインの提案をもっと積極的に行ってはいかがでしょうか。言葉では簡単ですが、海外メジャーブランドは留まることなく実行しています。
ファッション雑誌やSNSで奇抜なデザインや素材が使われているのを見ると、彼らは緻密なマーケティングのもとに制作しつつも、失敗を恐れずチャレンジしているのだと痛感します。それを模倣するも良し、アレンジするも良し――発信し続けることが大事ではないでしょうか。
やはり消費者にアピールし発信していくことこそ、メーカー・ディーラーの責務です。その延長線上に、有名人による着用シーンやヒットモデルの誕生が繋がっていくものと考えます。